フルーツのまち さっぽろ

北海道の中心地。そして約200万人の人口を擁する大都市でありながら、四季折々の自然が調和する美しい街札幌。

そして日本でもっとも早く西洋果樹の栽培が始まった地がここ札幌です。 明治2年、北海道の本格的な開拓に着手した政府は、「開拓使」を設け、欧米の文化・技術を積極的に取り入れ、開拓の基盤を固めました。 開拓使顧問ケプロンの助言により、円山一帯に試験果樹園が設けらました。 その後寒冷地でも育つ品種の選定や栽培技術の確立に向けた研究が進み、開拓使末期には栽培規模が40万坪にも達していたと言われています。

冷涼で昼夜の寒暖差が大きく、短い夏の間に太陽の光をたっぷり浴びる札幌の気候は、果物を豊かに美味しく育てます。 150年以上前に始まった札幌の果樹栽培は、大都市に発展した今も、その香り高い歴史を私たちに伝えています。

果樹園が連なるエリアは、「フルーツ街道」と呼ばれるようになりました。また、農薬の量を減らし、有機資材を増やすエコファーマーの取得など、環境への取り組みも併せて進んでいます。 特に、円山・旭山地区では、都会の喧騒から程近い場所にりんご園が点在し、春には可憐な花を咲かせ、秋には実りの収穫期を迎えます。市民の間では果樹園でのもぎ取り体験が人気を集め、都市生活の中で季節の移ろいを感じられる貴重な場となっています。 

150年以上前に始まった果樹栽培の息吹は、脈々と市内各所で受け継がれています。 現在では南区を中心にりんごとサクランボを中心にプラムやプルーン、イチゴやブドウなど多種多彩な果実を栽培するようになりました。

市場出荷主体から、観光農園・庭先販売主体へ時代とともに様変わりしました。 果実販売だけでなく、ジャムやワインなどオリジナルの加工品販売や飲食施設・キャンプ場やパークゴルフなどのアクティビティが増えてきました。

さらに生産者有志による農業応援団(ボランティア)を立上げ、官民一体になりさくらんぼ祭などイベントを積極的に行ってきた結果、今では年間1,000人以上の人が参加されるほどになり、多くの人に札幌のフルーツを楽しんでもらえるようになってきました。

都心から程近い円山・旭山地区では、春の花から秋の収穫まで、四季折々の表情を見せる果樹園が都市の景観に彩りを添えています。近代化と伝統が調和した札幌ならではの果樹文化は、今も脈々と受け継がれ、新たな魅力を生み出し続けているのです。

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