七飯の近代農業は、 安政2年(1855年)の箱館開港から始まっています。 外国船に食糧を供給するため、この地では いちはやく西洋農法が取り入れられました。 その中でもりんごは日本で最初に栽培された 可能性が高いとされています。 取り入れられた西洋りんごは各地に広まり、 昭和初期から育種研究が進められ、 昭和30年代には日本独自の品種が 栽培されるようになりました。 以来、西洋りんごは「日本らしい」進化をとげ、 品種も豊かで、さまざまな香り、 さまざまな色あいのりんごを楽しむことができ、 世界一おいしいとも評価され、 中国をはじめ世界に出荷されはじめています。 七飯のりんごは「日本のはじまり」であり、 そのりんごは今世界で認められようとしています。 いま、「日本のりんご」は最初のタネがまかれてから150年を経て、 世界へ広がりを見せようとしています。
本町の農家1戸当たりの平均経営耕地面積は、全道が25.8haであるのに対し7.0haと狭く、本町農業の特徴の一つとなっています。そのような条件下、本町では水稲と他農産物との複合化を図り、花き・野菜等の集約的経営作目についてはハウス導入による規模拡大を進め、農地の有効利用と高収益型農業の確立に向けた取組みを推進してきました。 平成28年度から30年度にかけては、新野菜広域流通施設(七飯町集出荷予冷施設)を建設しております。これは、昭和53年建設の真空予冷施設が老朽化に伴い野菜の品質低下を招く恐れがあったこと、更にはフロンガスの使用規制により平成32年度(令和2年度)には施設が使用できなくなる状況であったことから、これまで以上に鮮度を維持した高品質な青果物を安定的に市場へ届けていくために施設整備を行いました。 リンゴにおいては、優良品種である「ぐんま名月」に出荷基準を設け、「ななみつき」としてブランド化を図ることで七飯町産リンゴの普及に努め、また、労働力不足に対応していくため加工品用に適した品種である「ほおずり」の栽培を増やすなど歴史あるリンゴ産地を維持していくための取り組みを行っています。